透明度の高い湖の一つ 摩周湖
摩周湖は日本でもっとも透明度の高い湖の一つで、世界ではバイカル湖についで第2位、2001年には北海道遺産に選定されました。急激に深くなっていることとその透明度から青以外の光の反射が少なく、よく晴れた日の湖面の色は「摩周ブルー」と呼ばれています。
人々を魅了してやまない摩周湖の色は、言うまでもなくその透明度からきています。摩周湖は注ぎ込む川がなく、雨がその水源のほとんどを占めています。そのため不純物が運び込まれず、プランクトンや粘土などの浮遊物が極めて少ない美しい水をたたえているのです。この天然に存在する水としては限りなく純粋な水が、あの藍を流したような深い独特の青色を作り出しているのです。
また、摩周湖には流れ出る川もありません。しかし、湖の水位はほぼ一定に保たれています。それはダムのように絶え間なく水を溜める湖が、自らの圧力で地下をくぐり地下水となり、わき出しているからなのです。変わらず豊富な水をたたえ続ける摩周湖は、およそ100年分の雨を保有しているという説もあります。私たちの生活に潤いを与える、その清らかで豊かな水脈は、日本で最後の水がめといえるかもしれません。